よくあるご質問

Q.相手が共有物分割に応じてくれません。どうしたらいいでしょうか?

A.相手が協議に応じない場合は、弁護士に代理交渉を依頼しましょう。弁護士が対応すると、相手も真剣になり協議に応じる可能性が高まります。
協議できない場合は、訴訟を提起します。裁判所が適切な共有物分割の方法を決定してくれます。

Q.他の共有者の共有持分が競売にかけられました。自身の共有持分はどうなるのでしょうか?

A.すぐにご自身の共有持分が売却されることはありませんが、状況によっては他の共有者の共有持分の落札相手から、共有物分割請求訴訟を提起される可能性があります。
ご自身の共有持分を失わないために、共有物分割請求に詳しい弁護士に相談されることをおすすめいたします。

Q.親族と共有しているマンションに住んでいますが、共有状態を解消して1人で所有できますか?

A.代償分割の方法で、親族である共有者に代償金を支払って、持分を取得することが考えられます。
この場合、共有物であるマンションの価格を適正に評価したうえで、相当の代償金を支払うことができるかどうかがポイントになります。

Q.共有不動産を売却したいのですが、認知症の共有者がいます。どうしたらいいでしょうか?

A.共有不動産全体の売却は、共有者全員の同意が条件なので、認知症である共有者の同意も必要になります。
認知症が進行しているケースでは、成年後見制度を利用して、後見人が決まってから共有物分割請求を提起します。成年後見制度を利用する場合、後々トラブルにならないよう、弁護士に相談されることをおすすめいたします。

Q.共有物分割請求は、解決までどのくらいの日数がかかりますか?

A.協議であれば、1年ほどで解決することが多いのですが、協議がスムーズに進み、訴訟に発展せず和解できれば、半年ほどで解決するケースもあります。
ただし、相続問題などが絡んで内容が複雑になると、場合によっては2年近くかかることもあります。

Q.不動産に抵当権が設定されていても、共有物分割請求はできますか?

A.はい、可能です。
ただし、抵当権が設定されている共有不動産を他の共有者が買い取りを申し出た場合、抵当権が担保されている借り入れなどの債務者が誰であるか注意する必要があります。
担保付きの不動産を買い取った場合、債務者が返済を怠ると競売などによって、取得した不動産を失う可能性があります。
このため、持分の売却益から抵当権債務を完済して、抵当権を抹消することが重要です。

Q.遺産分割がまだの場合はどうしたらいいでしょうか?

A.まずは、遺産分割を先に行ってください。
通常、共有物分割は共有者間で協議を行い、協議がまとまらない場合、共有物分割請求という裁判を申し立てることになります。
詳しくは、遺産分割の共有状態解消をご覧ください。

Q.相手が共有不動産の共有持分しか財産を持っていない場合、債権回収をするのによい方法はありませんか?

A.債権者代位権を使って共有物分割請求をするという方法があります。
債権者代位権とは、債権者が自己の債権を保全するために債務者が持っている権利を代位して行使できる権利のことです。
要件は、①債務者に対して債権を有していること②代位行使する権利が債務者のみが行使できる権利でないこと(一身専属権といいます)③債務者が無資力であること④債務者が自ら権利行使に着手しないことが、挙げられます。
債権者代位権によって共有物分割請求権を代位行使した結果、債権者、債務者、債務者以外の共有持分権利者との間で和解協議が成立すれば、持分売却代金又は共同売却による売得金から債権回収をすることができます。

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